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繊細なHSPにとって日々の社会生活であっても強い刺激と隣り合わせ。
心の余裕を失わないために職場での休職や退職について「どういった手順を踏むのか」を知っておくことはとても大切です。
職場で問題を抱えた場合、休職と退職どっちがベストなのか
結論から申し上げると当事者によって立場や状況が異なってしまうので残念ながらベストな正解はありません。
とは言え、どちらを選んだ方が良いか迷っているのであれば「休職」を選択することをおすすめします。
特にメンタルの不調による休職、退職の場合注意しておかなければならないのが、
うつ病や適応障害などメンタル疾患に陥ると人は正常な判断を下すことがとても難しくなってしまうという点。
メンタルが不調の時は決断力や思考力が弱まっているため、人生を大きく変える決断は避けたほうが良いと言えます。
メンタルが悪い時に重要な決断はするな!【精神科医・樺沢紫苑】-YouTube-
https://www.youtube.com/watch?v=3oYGot94z8s
退職した場合だと元の職場やポジションへ再び戻ることは非常に難しいですが、
休職であれば復職や異動ができて、休職した後に退職もできたりと選択肢が多く残されます。
近い将来辞める決断をするにしても一旦間をとって、
選択肢を多く残した状態で身体を休め判断する方がより後悔のない決定ができる可能性が高いと言えるでしょう。
休職制度とは
病気などの自己都合が理由で業務に従事することが困難な場合、長期的に労働を免除してもらう制度。
業務外の理由によって一時的に仕事に従事できなくなった場合でも解雇を一定期間猶予してもらえます。
ただし休職中は企業側が従業員に対し給与を支払う義務は発生しないため収入が無くなる可能性があり、
うつなどの病気を理由に休職した際には健康保険の傷病手当金を受給することになります。
※注意点として、休職制度は法律上の義務ではないため会社によって有無や内容がそれぞれ異なります。
なので休職する前には、
・自分の会社には休職制度があるのか
・休職中の賃金は支払われるのか(ほとんどの場合支払われず、傷病手当金を利用する)
・休職中の保険や税金の負担はどうなるのか
これらを確認しておく必要があります。
傷病手当金
病気やケガのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。
自分の給与のおよそ6~7割くらいで、支給期間は最長で1年6ヶ月。
傷病手当金の請求ができる条件は、
①病気やケガで療養が必要であり仕事を休む必要があること
②病気やケガで仕事ができない期間、給与その他の支払いがないこと
③在職中に「3日以上連続」して療養のために欠勤していること
④(退職する場合)退職までに社会保険に1年以上加入している人
になります。
③は少しわかり辛いのですが、私が会社を1ヶ月休職した時は下記のような対応でした。
・適応障害で会社を休んだ最初の3日間は「体調不良」の名目で有給休暇。(給与は発生)
↓
・それ以降の30日間は「休職」。(給与は発生せず傷病手当金を受給)
傷病手当金を利用する場合には休んだその日から休職になるのではなく
3日間連続で会社を休んだ後からの休職となります。
あまり気にする必要もないとは思いますが、制度としてはこのような細かな条件があったりします。
休職、退職どっちが良いか迷ったら①「休職のメリット」
・収入面を気にせず心身を休めることに集中できる
・仕事復帰後に仕事量を一定期間配慮してもらえる
・現在の職場に留まるか新しい仕事を探すのか選択肢がある
休職の場合、傷病手当金を受給することで月額給与の6~7割程度を保障してくれます。
収入面をある程度確保しつつ心身を安心して休めることができることは休職の強みですね。
又、休職であれば職場の人間関係はゼロにリセットされません。一見デメリットのようにも感じますが、
新しい人間関係を構築する必要がないので再び働き始める際のハードルが意外と低かったりします。
会社側もどういった経緯で休んでいるのかを把握しているため職場、社会復帰の補助をしてくれたりもします。
私は介護職をしているのですが、適応障害で休職し復職した際には
夜勤が免除、8:45〜17:30までの勤務中心といった心身の負荷が掛かりにくい働き方にしてもらえました。
就職活動や健康保険の切り替え手続きをする必要や心配がないのも心理的にかなり楽です。
休職に必要な手順
病気やケガ、うつや適応障害になり働くことが困難になってしまった場合、下記に沿って休職に必要な準備をしていきましょう。
①職場に休職制度があるか確認
↓
②病院で診断書を書いてもらう(診断書は5千円くらいかかる)
↓
③診断書を持って直属の上司へ報告、相談(事前に上司へ相談があるとアポイントを取っておいた方が良いです)
③が終えられれば後は会社が手続きを進めてくれます。
休職のデメリット
休職にもいくつか欠点があり
・会社や職場に罪悪感が芽生えてしまう
・状態報告の連絡を定期的にしなくてはならない
・休んでいる間に8時間労働への耐性がなくなる
などが挙げられます。
上司や同僚は「会社のことは気にしなくていいからしっかり休んで」と言ってはくれますが、
色々な方々に迷惑を掛けてしまうのは事実であり「申し訳ないな…」という気持ちは心の中にずっと留まります。
しかも状況報告や書類の手続きなどでこまめに行われなければならず都度気持ちがヘコんでいきます。
人間関係を継続できる分、煩わしさはやはりありますね。
後は長期的に休んでしまうと8時間働くのが最初の数ヶ月はしんどい。
勤務時間は長く感じるしすぐに疲れてしまいます。
みんなに迷惑を掛けてしまった分を取り返そうと思うけれど
心身がついていかないので精神のバランスを保つのが難しいです。
休職、退職どっちが良いか迷ったら②「職場不満チェック」
「働くのがとにかく辛い」「会社を辞めたい」と感じている時は、自分は何に対して不満を持っているのかを可視化するのはとても大切です。
紙などに書いて言語化することで辛い気持ちの棚卸しをしていきます。
職場の不満リスト一例
・給与が安い
・上司や社長がワンマンで常に振り回されている
・一人当たりの作業負担が大きい
・残業が多い
・真面目に仕事をしている人が損をしていると感じる
・パワハラが常態化している
このように書き出したら辛さのレベルを1~5点で数値化していきましょう。
軒並み点数が高いのであれば転職を視野に
点数が高い項目が環境が変わることで解決できそうな場合は部署移動や休職を
意外と点数は低くて気持ちがモヤモヤしていただけという可能性もあるかもしれません。
又、「人間関係が辛い」「人の目を見て話せない(今までは問題なくできていた)」
「ケアレスミスが多くなった」「物事への反応が薄くなった」と感じるようになったら
メンタルがかなり落ちている可能性があるので心療内科などへの受診を検討しても良いかもしれません。
休職、退職どっちが良いか迷ったら③「退職を選択する」
数ヶ月休みを取ったとしても、あるいは部署を異動したとしても
不安やストレスの原因を取り除けそうにない場合には休職せず退職を選択のも手です。
そもそも会社の社風、職場の主な仕事内容が自身に向いていないのであれば
根本的な悩み解決は難しいためスパッと辞めてしまうのが精神衛生上最善とも言えます。
退職のメリット
・新たな気持ちに心をリセットできる
・会社と縁が切れるので連絡不要
ゼロから自分のペースで社会復帰していけるのが退職において最大のメリットですね。
辛い会社を辞めてもう二度と連絡しなくて良いんだという安堵感は半端じゃないです。
私が新卒で入社した回転寿司チェーンを辞めれた時は本当にホッとしました。
退職のデメリット
・就職活動をしなくてはならない
・社会保険などの手続き
・収入が不安定
会社を辞めてしまうと今まで積み上げてきたものが役に立たなくもなります。同業他社であってもマニュアルは全く異なることなんてザラにあり違う業種であればなおさらです。
年齢を重ねれば重ねるほど新しい人間関係の構築は難しくなっていきます。
退職した際の手続も意外と多いものです。国民健康保険へ加入、国民年金に切り替え、住民税の切り替え手続きなどなど今まで会社が行ってくれていたものを自分でやらねばなりません。
収入も失業保険や傷病手当金があるとい言えど期限や制限はあるので安泰ではないのも痛いところです。
とは言えそれでも毎日「辞めたい」気持ちが離れない、心が折れて精神的に限界が近いうちにきてしまう…。
そんな状況であれば『辞める』選択をして休む時間も必要と言えます。
「もう会社に辞めたい」と伝えるエネルギーも残っていない方には退職代行を使い速やかに
心と体を休ませすことも大切です。
労働組合法人である退職ガーディアンでは365日、全国どこでも退職代行してくれます。
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